読書&映画感想覚え書き

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ヨコハマメリー
ヨコハマメリーヨコハマメリー
(2007/02/14)
永登元次郎

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1990年代半ばまで横浜の伊勢佐木町の街角に立ち続けた
通称「ハマのメリー」よ呼ばれた女性の姿を
生前彼女と親交のあった末期癌に冒されたシャンソン歌手や
彼女が出入りした美容院、クリーニング店、化粧品店等
様々な人々のインタヴューから浮かび上がらせていく
ドキュメンタリー映画だった。
メリーさんという一個人のお話ではなく、インタヴューされた
人々それぞれの戦後の生き方を振り返っているように感じた。
メリーさんが相手にするのは、「将校」以上でとても
プライドが高かったという。
メリーさんが通った美容院で客の苦情から出入りを断らざるを得なかった話、
カフェでメリーさん専用のカップを用意した話、
化粧品店内では打ち解けて話してもメリーさんは、周囲の人を気遣って
外では無関係を装った話から、彼女がどれほど多くの差別や好奇の目や
孤独と闘って来た事だろうかと胸が痛んだ。
印象的だったのは、ある人が『白く塗る事によって消して行く。
白く化粧して仮面をつける。メリーという人物に成り切る』と
語っていた場面だ。
メリーさんを題材にした芝居「横浜ローザ」という芝居を演じた
五大路子が『背骨が曲がっていても、何故メリーさんは
ああも凛としているのか知りたいと思った。』と
語っていたが、メリーさんは顔を真っ白に塗り赤く口紅をひいて
白いドレスを着けて「横ハマメリー」という自分を
演じ切っていたのだろう。
「将校」さんを愛して、横浜の街で待ち続ける自分に誇りを持って。
横浜の夜の象徴といわれた「根岸家」でメリーさんと張り合った事も
あるという京子姐さんが「のーえ節」を三味で歌った
「お座敷LIVE」は、本当に格好良くて、戦後の混乱の時期を
生き抜いて来た女の逞しさに圧倒された。
メリーさんを支援し続けた永登元次郎さんが
養老ホームで暮らすメリーさんの元を訪れ「マイウェイ」を
歌うシーンは、涙が溢れた。
元次郎自身の生い立ち、末期癌を患いながら歌を歌い続ける今、
客席で素顔で普通の服装で穏やかに歌に聴き入るメリーさんの今、
『愛をありがとう』という歌声がこの上なく沁みた。

本名に戻ったメリーさんの素顔の美しさに出会えて良かった。

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Comment

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またエライ時間経ってからコメントしてすみません;

横浜でひと仕事終えた夕暮れ時、高速下の川のところで、ご本人に偶然お会いしたことがあるんです。
知人が怖がって逃げ出してしまったんですが、自分には懐かしく夢の中の出来事のように思えて、この映画が出来たって聞いたときはぞわぞわした気持ちになりました。
森茉莉さんの小説に出会ったときと同じような、不思議な導きを感じました。
四季月 | URL | 2008/06/24/Tue 21:24[EDIT]
>四季月さん
気づくの遅く為ってどうもすみません。
メリーさんに逢われたことがおありになったんですねえ。
映画の中にではなく、現実にいらっしゃった
生身の女性であったということ・・・
何だか幻想的に感じてしまいます。
ジョナ | URL | 2008/07/10/Thu 18:22[EDIT]
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