読書&映画感想覚え書き

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高村薫「晴子情歌」「新リア王」
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新リア王 下新リア王 下
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「太陽を曳く馬」を読み終えて、彰之という人物がどうにもこうにも、雲のように漠として
捉えようのない存在であるとしか思えなかったので、
この人物がどのようにして形成されたのか知りたくて、この大長編に挑んだ。
第三部で彰之の出生のいきさつを知らされていたから、
第一部「晴子情歌」のヒロイン晴子という女性に、自分は難儀することに
なるだろうと予想していたが、それは想像以上のものだった。
15歳での環境の激変、東北の寒村での暮らし、
過酷な状況ではあるけれど、晴子は、決して流されるのではなく、
その時々に、「自分の意志」で、しなやかに瑞々しく
自分の「生」の道筋を歩んでいく。
強く美しい女性だ。
けれど感情移入することがあまり無かった。
むしろ、母親の100通にも及ぶ手紙を手にして戸惑っている彰之の心持ちの方が理解出来た。
理解と言えば、第二部「新リア王」で語られた、
福澤家の二女「和子」、この意に染まぬ結婚を強いられるも、
4人の子を設け、本家の子供達への対抗心を燃やし続け、最愛の末っ子を海で亡くして仕舞った
女傑、晩年になって今度は娘婿を一族の政争の犠牲で亡くして仕舞うというあの女性の生きざま、
そして紙面に多く割かれている訳ではないけれど、
福澤百合という女性、「執念で煮しめたような」と彰之に形容された紺色のスーツを着て、
榮の後援会事務局長を務めあげる初老の女性、出自の引け目や
福澤の名を持つ矜持やら諸々を厚い鎧の下に長年蓄積し続けている、
そういう彼女らに共感した。感情移入した。
第二部「新リア王」では、ちょうど今、菅直人新首相誕生という時期なので、
文中に当時の政治家達の実名が多く出てくる事が興味深かった。
「政治とカネ」「トカゲのしっぽ切り」「面従背反」
何十年経っても結局は、同じことをやっているのじゃないかと。

どこまで私は、この物語を理解出来たのか、判らないけれど、
最後に心に残ったのは、
人はみな孤であるなあということだった。
孤であるからこそ、命を燃やせる対象に出逢えたものは、幸せなのだろう。
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Comment

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こんにちは。
いつも かなりのペースで読書されてるので
すごいなと思います。
そして、serruriaさんの 記事を読んで
読んだ気になったり、読んでみたくなったりしている私です(笑)
最近 年のせいか
根気が続きません。
この間は 文庫になった「告白」を ようやく読み終えました。
重かったので、昨日は「正しい大阪人の作り方」という本を買ってみました。
大阪人ではありませんが、関西人なので
楽しく読めそうですe-446
みけ | URL | 2010/06/08/Tue 16:12[EDIT]
>みけさん
コメントどうもありがとうございます!
毎回気付くの遅くてごめんなさい。(^_^;)
「告白」私も読んでみたいと思ってたところです。
文庫になってありがたいです。
『正しい大阪人の作り方』
面白そうですね!
吉井さんLIVEでの「大阪弁講座」を思い出しちゃいました。
次回大阪LIVEでは、どんなのが登場するんでしょう。
行けたら良いなあ♪
ジョナ | URL | 2010/06/16/Wed 08:48[EDIT]
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